シーバス マッチ・ザ・ベイトの考え方

他の魚はそこまで深く考えなくても釣れる印象ですが、シーバスは食べているものの範囲が広いので、プラグをどれに合わせるかで釣果が変わってくる分、最初から知らないと苦労する部分でもあります。地域性もあったりするのですが、一応まとめてみましたので、良かったら見て下さい。

【シーバス攻略】マッチ・ザ・ベイト別ハードプラグ分類表

1. イワシ(カタクチ・マイワシなど)

  • 特徴:群れで回遊、サイズは小型(3〜7cm)から中型(10cm前後)まで
  • 有効プラグ
    • ミノー(フローティング・シンキング、7〜12cm)
    • シンキングペンシル(ナチュラルドリフトで群れを演出)
    • メタルジグ(群れがボイルしている時にマッチ)

イワシは一年中回遊しているのか?

  • カタクチイワシ(シコイワシ)
    → 沿岸部に回遊が多く、春〜秋に接岸しやすい。冬は水温が下がると沖へ離れることが多い。
  • マイワシ
    → 回遊性が強く、季節や年によって接岸の有無が変わる。大量に接岸する「イワシ年」にはシーバス爆釣が期待できる。
  • トウゴロウイワシ(ボラの幼魚と混同されやすい)
    → 夏〜秋に沿岸に多い。

👉 つまり、イワシ自体は一年中どこかには存在しますが、沿岸でシーバスが狙えるほど接岸するのは主に春〜秋です。
冬はベイトが減り、シーバスも深場へ移動するため「イワシパターン」は薄くなります。


イワシパターンが成立する季節とフィールド

  • 春(3〜5月):新子イワシが接岸、港湾やサーフで数釣りチャンス
  • 夏(6〜8月):群れが大きくなり、河口・干潟・堤防に回遊
  • 秋(9〜11月):群れが岸近くに溜まり、シーバスの荒食いがピーク
  • 冬(12〜2月):接岸は減り、沖や深場へ → ベイトはハクやコノシロに移行

イワシパターンに有効なルアー

ミノー

  • サイズ:7〜12cm
  • 潜行レンジ:表層〜中層
  • 代表的アクション:タダ巻きで群れを演出

シンキングペンシル

  • 群れを意識したナチュラルドリフトに最適
  • 河口や常夜灯周りで有効

バイブレーション

  • 群れの下に着いたシーバスを狙う時に強い
  • デイゲームのサーチベイトとして活躍

メタルジグ

  • サーフや外洋のボイル撃ちで有効
  • 飛距離を出してナブラを直撃

まとめ

イワシパターンはシーバス釣りの大定番。

  • 春〜秋に沿岸で成立しやすい
  • 秋は特に荒食いのピークで爆釣チャンス
  • ルアーはミノー・シンペン・バイブが主力

「ベイトサイズ=ルアーサイズ」を意識したマッチ・ザ・ベイト戦略で攻めれば、シーバスの反応は劇的に変わります。


2. アジ(豆アジ〜中アジ)

  • 特徴:夏〜秋に接岸、10〜15cm程度のサイズが多い
  • 有効プラグ
    • ミノー(10〜12cm、強めのウォブリング)
    • バイブレーション(中層を広範囲に探れる)
    • ジャークベイト(リアクションで喰わせる)

春(3〜5月)

  • ベイト状況
    • 沖合に群れていることが多く、沿岸には少ない
    • 稀に小型の豆アジが港湾や堤防に姿を見せる
  • 狙えるターゲット
    • シーバス(港湾・常夜灯周り)
    • メバルや根魚が小型アジを捕食
  • 有効ルアー
    • 小型ミノー(7〜9cm)
    • マイクロシンキングペンシル

夏(6〜8月)

  • ベイト状況
    • 豆アジ(5〜8cm)が沿岸に大量発生
    • 港湾・サーフ・漁港で群れが形成され、ライトゲームの最盛期
  • 狙えるターゲット
    • シーバス(豆アジつきの夜の常夜灯は好ポイント)
    • チヌやキビレもアジを捕食することあり
  • 有効ルアー
    • ミノー(小型7〜9cm、ナチュラルカラー)
    • ペンシルベイト(表層で小アジを演出)

秋(9〜11月)

  • ベイト状況
    • アジが成長して10〜15cmサイズに
    • 岸近くや湾奥に群れで入り、青物・シーバスが荒食い
  • 狙えるターゲット
    • シーバス(特に秋の荒食いパターンで超重要ベイト)
    • サゴシ・ブリ・カンパチなど青物
  • 有効ルアー
    • ミノー(10〜12cm)
    • バイブレーション(広範囲サーチ)
    • メタルジグ(ナブラ撃ちで有効)

冬(12〜2月)

  • ベイト状況
    • 水温低下で深場に落ちる
    • 沿岸では少なくなるが、外洋や沖の深場で群れを形成
  • 狙えるターゲット
    • 沖合のシーバス・青物(ショアからはやや厳しい)
  • 有効ルアー
    • メタルジグ(遠投・深場攻略)
    • シンキングペンシル(ナイトゲームで回遊待ち)

まとめ

  • :沖に多く、沿岸では小規模
  • :豆アジ大量発生、港湾や常夜灯周りでチャンス
  • :成長した中アジにシーバス・青物が荒食い(最盛期)
  • :深場へ落ちるが、大型ベイトとして機能する

👉 特に 秋の「アジパターン」 は、シーバスや青物釣りで外せない爆釣シーズンです。


3. サヨリ

  • 特徴:細長いシルエット、水面直下を泳ぐ
  • 有効プラグ
    • シンキングペンシル(細身タイプ)
    • フローティングミノー(ロングスリム系 12〜15cm)
    • トップウォーター(ペンシルベイトでサヨリ逃走アクション)

春(3〜5月)

  • サヨリの動き
    • 水温上昇とともに沿岸部に群れで接岸。
    • サイズは10〜15cm程度の小〜中型。
  • ターゲット
    • シーバス(湾奥・港湾で回遊待ち)
    • メバルやカマスが混じることも
  • 有効ルアー
    • スリムミノー(9〜12cm)
    • シンキングペンシル(細身タイプ、表層〜中層ドリフト)

夏(6〜8月)

  • サヨリの動き
    • 大きな群れで港湾・干潟・河口に定着。
    • 20cm前後の良型サヨリも混じる。
  • ターゲット
    • シーバス(特に常夜灯下の表層にサヨリが集結)
    • チヌや青物が群れを追うことも
  • 有効ルアー
    • ペンシルベイト(ドッグウォークで群れを演出)
    • フローティングミノー(12〜15cm)
    • トップウォーター(表層ナブラ撃ち)

秋(9〜11月)

  • サヨリの動き
    • 群れが最大化し、15〜25cmクラスが沿岸で大発生。
    • 大型シーバスの荒食いパターンが成立。
  • ターゲット
    • シーバス(特にランカーサイズが狙いやすい時期)
    • サワラ・ブリなど青物
  • 有効ルアー
    • ロングスリムミノー(12〜15cm、レンジは表層〜中層)
    • シンキングペンシル(ゆっくりスライドで群れを演出)
    • ビッグペンシル(青物狙い)

冬(12〜2月)

  • サヨリの動き
    • 水温が下がると外洋寄りへ移動。沿岸では数が減少。
    • 温排水エリアや南向きの港湾では残る群れもある。
  • ターゲット
    • 冬シーバス(温排水エリアや港湾限定)
    • 青物(サヨリ付きで回遊がある地域限定)
  • 有効ルアー
    • シンキングペンシル(スローなドリフト)
    • 細身ミノー(12〜15cm)

まとめ

  • :小〜中型のサヨリが接岸 → スリムミノー・シンペン
  • :群れが港湾や干潟に集結 → ペンシル・トップウォーター
  • :群れ最大、ランカーシーバス&青物爆釣 → ロングスリムミノー・シンペン
  • :外洋へ離れるが一部エリアで成立 → スローな細身ルアー

👉 サヨリパターンは 「細長いシルエット」「表層〜中層」「ナチュラルアクション」 が鉄則です。

4. コノシロ

  • 特徴:冬〜春にかけて接岸、15〜20cmの大型ベイト
  • 有効プラグ
    • ビッグベイト(フローティングミノー 14〜18cm)
    • ビッグペンシルベイト(トップでド派手にアピール)
    • バイブレーション(大型サイズ、リアクションで食わせる)

春(3〜5月)

  • コノシロの動き
    • 基本的に群れは沖合に多く、沿岸ではまだ少ない。
    • 一部の港湾や干潟で若魚(15cm前後)が入ることも。
  • ターゲット
    • シーバスはまだイワシやハクに依存。
    • 稀に港湾奥でコノシロ付きのシーバスが出る。
  • 有効ルアー
    • ミノー(12cmクラス)
    • バイブレーション(群れの下を通す)

夏(6〜8月)

  • コノシロの動き
    • 小型群れ(15cm前後)が湾奥や河口で見られるようになる。
    • まだメインベイトにはなりにくい。
  • ターゲット
    • シーバス(ナイトゲームで一部成立)
    • チヌや青物はまだ別ベイト中心。
  • 有効ルアー
    • ミノー(12〜14cm)
    • シンキングペンシル(ナチュラルドリフト)

秋(9〜11月)

  • コノシロの動き
    • 群れが接岸し、大型個体(18〜25cm)が大量発生。
    • 湾奥や河口、干潟に大群で入り「コノシロパターン」が最盛期。
  • ターゲット
    • シーバス(ランカー狙いの大本命パターン)
    • サワラ・ブリ・カンパチなど青物
  • 有効ルアー
    • ビッグベイト(15〜20cm)
    • ビッグペンシルベイト(表層でド派手にアピール)
    • バイブレーション(中層攻略)

冬(12〜2月)

  • コノシロの動き
    • 水温が下がっても群れは沿岸に残ることが多い。
    • 常夜灯下や港湾奥に群れることもあり、シーバスの越冬ベイトになる。
  • ターゲット
    • 冬シーバス(大型メイン)
    • 青物(地域によっては回遊あり)
  • 有効ルアー
    • ビッグミノー(15〜18cm)
    • ジャイアントベイト(20cmクラス、スローリトリーブ)
    • メタルバイブ(ディープ攻略)

まとめ

  • 春〜夏:小規模で一部成立、メインパターンにはなりにくい
  • :群れが大きく接岸、ランカーシーバス狙いの最盛期
  • :群れが残り、港湾で越冬シーバスのメインベイトに

👉 コノシロパターンは 大型ルアー必須。ビッグベイトでしか獲れない魚がいるため、ランカー狙いには欠かせない攻略法です。


5. ボラ(イナッコ・ハク)

  • 特徴:稚魚期(ハク)は春〜初夏、5cm前後。イナッコは夏〜秋で10〜15cm
  • 有効プラグ
    • ハク → 小型ミノー(5〜7cm)、マイクロシンペン
    • イナッコ → ミノー(9〜12cm)、シンキングペンシル
    • バイブレーション(群れに付いたシーバスに有効)

春(3〜5月)

  • ベイト状況
    • 2〜5月は「ハク(ボラの稚魚、2〜5cm)」が河川や港湾に大量発生。
    • 群れで水面直下を漂い、常夜灯周りや護岸沿いにびっしり付く。
  • ターゲット
    • シーバス(特に春のデイゲーム&ナイトゲームでハク付きが多い)
  • 有効ルアー
    • マイクロシンキングペンシル(3〜5cm)
    • マイクロミノー
    • トップウォーター(極小サイズでハクを意識)

夏(6〜8月)

  • ベイト状況
    • ハクが成長し、5〜10cm程度の「イナッコ」サイズに。
    • 河川、港湾、干潟のシャローに大量に群れる。
  • ターゲット
    • シーバス(回遊型より居付きの魚が群れに付く)
    • チヌやキビレも捕食する場合あり。
  • 有効ルアー
    • ミノー(7〜10cm、シャローランナー系)
    • シンキングペンシル(ナチュラルなドリフト)
    • ペンシルベイト(トップで群れを意識)

秋(9〜11月)

  • ベイト状況
    • イナッコがさらに成長し、10〜15cm前後に。
    • 河川や湾奥では群れで大発生、シーバスの荒食いが始まる。
  • ターゲット
    • シーバス(ランカーシーバスの実績大)
  • 有効ルアー
    • ミノー(9〜12cm、ベイトサイズに合わせる)
    • シンキングペンシル(表層〜中層を漂わせる)
    • バイブレーション(群れの下を狙う)

冬(12〜2月)

  • ベイト状況
    • 20cmを超える「成魚のボラ」も港湾や河口に残る。
    • ボラ自体は大きすぎて捕食対象になりにくいが、シーバスは「群れの中の弱った個体や小型」を狙う。
  • ターゲット
    • 冬シーバス(港湾や温排水エリアで越冬ベイトとして重要)
  • 有効ルアー
    • ビッグミノー(13〜15cm以上)
    • ジャークベイト(弱ったボラを演出)
    • メタルバイブ(深場狙い)

まとめ

  • :ハクパターン → マイクロベイト対応ルアー必須
  • :イナッコパターン → 7〜10cmミノー、シンペン
  • :イナッコ荒食い → 9〜12cmミノー、バイブレーション
  • :成魚ボラの群れ → ビッグベイトでランカー狙い

👉 ボラは成長段階でサイズが変わるため、「シーズン×ボラのサイズ」に合わせたルアーセレクトが釣果アップのカギです。


6. エビ・甲殻類

  • 特徴:干潟やシャローに生息、夜間にシーバスの捕食対象になる
  • 有効プラグ
    • バイブレーション(ボトムズル引き)
    • シンキングペンシル(リフト&フォールで甲殻類を演出)
    • クランクベイト(シャローエリアで甲殻類パターンに強い)

春(3〜5月)

  • ベイト状況
    • 稚エビ、ハゼ類、モエビがシャローや河口に増える
    • 水温上昇で底生生物が活発化
  • 有効ルアー
    • 小型バイブレーション(ボトムズル引き)
    • クロー系ワーム+ジグヘッド
    • シンキングペンシル(リフト&フォールでエビの跳ねる動き)
  • 攻略ポイント
    • 岸際の敷石、干潟の浅場、流れのヨレ

夏(6〜8月)

  • ベイト状況
    • 小型カニ・テナガエビ・シャコが活発
    • 河口の汽水域や干潟で夜間の捕食が盛ん
  • 有効ルアー
    • クロー系ワーム(チニングの定番、Mリグやテキサスリグで)
    • シャロークランク(ボトムノックで甲殻類を演出)
    • トップウォーター(ナイトゲームで捕食エビを狙うシーバスに効くことも)
  • 攻略ポイント
    • 干潟の潮位変化(満潮前後)
    • 河口のテトラ・橋脚・常夜灯下

秋(9〜11月)

  • ベイト状況
    • 夏の甲殻類が成長し、大きめのカニやエビが増える
    • ボトムに落ちる落葉やゴミに隠れる小型甲殻類もターゲット
  • 有効ルアー
    • ボトム系ルアー(バイブレーション・メタルバイブ)
    • ホッグ系ワーム+リグ(フリーリグやMリグ)
    • ジャークベイトでリアクションバイト狙い
  • 攻略ポイント
    • テトラ帯の隙間
    • ゴロタ浜や石積み護岸

冬(12〜2月)

  • ベイト状況
    • 甲殻類の活動は鈍化
    • シャコや底生カニがボトムにじっとしている状態
  • 有効ルアー
    • メタルバイブ(スローリフト&フォール)
    • ボトムワインド(リフト後にゆっくり落とす)
    • クロー系ワームのスローなズル引き
  • 攻略ポイント
    • 水深のある港湾や河口の深場
    • 日中の水温が上がる時間帯を狙う

まとめ

  • :稚エビ・小型甲殻類 → 小型ルアーでナチュラルに
  • :テナガエビ・小カニ → クロー系ワームやシャロークランクで積極的に
  • :大型カニ・シャコ → ボトム系ルアーでリアクション狙い
  • :活動低下 → スローなボトム攻略で拾い釣り

7. ハゼ類(夏〜秋の汽水域)

  • 特徴:ボトム付近に多い
  • 有効プラグ
    • バイブレーション(ボトムをトレース)
    • クランクベイト(シャロー用)
    • シンキングペンシル(底を意識してスローリトリーブ)

まとめ

  • :稚エビ・小型甲殻類 → 小型ルアーでナチュラルに
  • :テナガエビ・小カニ → クロー系ワームやシャロークランクで積極的に
  • :大型カニ・シャコ → ボトム系ルアーでリアクション狙い
  • :活動低下 → スローなボトム攻略で拾い釣り

エビ・甲殻類は一年を通してシーバス・チヌの重要な捕食対象ですが、季節ごとにベイトの種類と動きが違うため、それに合わせたルアーセレクトが釣果アップのカギです。

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